週刊少年ジャンプで連載中のアクタージュ。
最新話83話の考察です。
【※注意※】ネタバレを含みます。
一瞬身が凍る言葉
回想から始まるscene83.
scene71. 2日目(ジャンプ31号)の4ページ目にやりとりの場面が描かれてます。
そして夜凪の父親が小説家であることが描かれてます。
小説家という言葉で思い出すのは2つ。
紙くずの中の父親の背中。優しく笑う母親の温もり。
この回想シーンscene71.を見返してみると
コマだけで表現されてます。
だから、夜凪と花子さんの表情は描かれて無かったんですね。
小説家ときいて「へぇ・・・・」としか答えられない夜凪。
今回の話ではきょとんとしてる表情が描かれてます。
正直な感想は
こ れ が 伏 線 な ん で す か
こんな伏線分かるわけがない。
だからこそ、こんな何気ないところが伏線とかほんと読んだときにゾクゾクする。
トラウマに近い感じ。
ただ、それを打ち消す母親の温もりの記憶もあるので、
いい印象3割、悪い印象7割ぐらいじゃないかなと思ってます。
大切なのは・・・
場面は戻って舞台前へ。
驚く市子さん。
意図を聞こうとする烏山。
心配する白石さん。
その中で花子さんの一言。
心中お察しします
でも勝ちたいんでしょ?
勝ちたいって理由に行動してる。
そのあとの王賀美さん「(夜凪は)役者だ」のあとの一言。
花子さん
あんた人としちゃどうしようもねぇが演出家としては正しいよ
信じてるんだろ
あいつならあんたの絵になれると
目的のためには手段を選ばない感じが描かれてますね。芸術のために人の道を外れる当たり。
この辺現実世界でも考えどころで
端から見たらどうしようもない人でも行かせる場所があるってことを暗に伝えてるような気がしてます。
巌さんの話もそんな感じですからね。
演出家にしかなれない巌さんが役者でしか生きれない人の場所を作ってるように。
「適材適所」はアクタージュのみならず、ジャンプの裏テーマな気もしてます。
それとこれ、芸術だけにとどまらないと思ってます。
お金のために人の道を外す。とかよくある話だと思います。
たまたま芸術だからよかったものの
これがお金のためだったと思うと・・・・ぞっとしません?
人間にはそういう恐ろしさもあるという事を伝えてる漫画だな・・・と思ってます。
そして、夜凪がステージに向かう場面。
大切なものを確認しながら向かう。
そして”怒り”を表現に使うこと、飲まれるな、役者だと言い聞かせながら・・・・
母親の記憶と花子さんの言葉を回想しながら向かってるシーンが挿入されてますが、
「小説家」という言葉のいい思い出と悪い思い出を思い出しながら向かってますね。
なんとか母親の記憶を使って正気を保とうとしてるのが窺えます。
「それ」
舞台開始へ。
舞台の幕が上がらなくて、トラブルかと思いきや
客席後ろから入ってくる夜凪。
それをみた時のヒナの表現「それ」
人じゃないんですよね。神になってる。
それも怒ってる神に。
そして、観客が息を殺し役者から目をそらす。
なんともまがまがしい雰囲気を醸し出してますね。
表現も、セリフも。
夜凪の怒りの大きさを表している。
演じるを通り越して怨じる(恨むこと)の感じですよね。
怒りを、過去の人生も表現に変えるのが役者。
そんなことを思わせる場面でした。
この後どうなっていくかが楽しみです。
考察とこの後の展開
やっぱりこの羅刹女は「夜凪の父親と山野上花子の物語」だと思ってます。
夜凪は帰ってこない父親への怒り。
花子さんは戻ってこない「あの人」への怒り。
上記で引用した王賀美さんのセリフからもそんな感じがしてます。
信じてるのは同じ怒りを持っているから。じゃないかと。
この怒り狂った夜凪に対して、共演者の演技が本当に楽しみです。
それ以上に楽しみなのは、
この舞台が終わった後に夜凪ちゃんがどうやって元の夜凪に戻るか。
高校の同級生がどういう風に舞台後に接していくか。
怒りの解消、克服の仕方が本当に本当に楽しみです。
